白い雲の向こうへ 2021/1/19


--早起き出来たので予定通り朝日の撮影へ。目的地は住用。まだ暗い中、家を出、快調に南へ向かう。名瀬を過ぎ、和瀬トンネルを抜けたところで空が白んできた。目の前に朝焼けが・・あれ?真っ白だ。空一面に雲。絶望的な気持ちになり、今日はもう引き返して帰るか、それとも別な場所に向かうか、迷う。

--もしかしたら少しは晴れるかもしれないと淡い期待を抱きつつ、三太郎トンネルも越えてみた。が、明るくなるほどにハッキリと空は白さを増していく。とりあえず住用はあきらめて目的地を変更。瀬戸内まで行ってみよう。網野子トンネルを抜けたら伊須湾だ。日の出時刻にはもしかして・・と阿木名に着いてみたが、目の前に光は全く見えなかった。

--ここまで来たらせっかくだからもうちょっと行ってみようと思い、伊須湾に沿って海岸線を進んだ。伊須へ向かう峠を登り切ったところに、見晴らしが良いところがある。そこまで来たところで水平線上に光がこぼれ落ちてきた。車を止めてガードレールの下をのぞき込むと、海が青い。透明感ある海のブルーと水平線のオレンジがとてもキレイだ。海岸沿いで紅葉しているハゼノキの赤もいい。

--ああ、良い光景に出会えた。ここまで来たかいあったな。ちょっと満足。よし、せっかくだからもうちょっと先へ行ってみよう。ホノホシ海岸も近い。奄美大島の朝日が見える場所では最南端となるホノホシ。家からなら遠くてなかなか行けないけど、ここからなら寄らずに帰るのはもったいない。せっかくだから、せっかくだからを繰り返し、いざホノホシへ。

--そうしてやってきたホノホシ。相変わらず丸い石でいっぱいのホノホシ。伊須湾はとても静かだったけど、さすが岬の先端の外海、ホノホシには定番の荒波が押し寄せていた。波が玉石を転がす音を聞きながら、朝日を待っていると、雲の切れ間から太陽の光があふれ出してきた。さっきの伊須湾が静かな美しさだとしたら、これは躍動するような美しさ。満ちあふれる陽光に海岸中が照らされ包まれていく。

--せっかくだからと来てみて良かったな。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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