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■ アマミフユイチゴの群落消失

-- 新春早々、家族で湯湾岳に登ってきた。人の目は多い方が発見も多い。父と母と歩きながらいろんなものを発見した。往復3時間ほどの徒歩だったが、たくさんの出会いのおかげで思った以上に楽しく時が過ぎた。ただ嬉しい驚きもあったけど、残念な驚きもあった。登山路の足下の何気ないところに貴重な植物が育つ湯湾岳。アマミフユイチゴの可愛らしい葉が林床を埋めつくす姿を見るだけで、いつも嬉しい気持ちになったものだ。小さい植物たちがにぎやかに生きる湯湾岳の登山路。ところが、今日はひと月前に登った時とは全く違う光景が広がっていた。登山路沿いの植物がみんな剥ぎ取られているのだ。「あれ?あれ?あれ?こんなだったっけ?」。気のせい?かとも思いながら寂しい登山路を登っていくと、頂上手前の広場にたどり着いて唖然とした。「信じられない!」。この広場いっぱいに広がっていたアマミフユイチゴが、そんなものまるで最初から無かったように綺麗さっぱり剥ぎ取られていた。アマミフユイチゴのじゅうたんが、今や枯葉の空き地である。「湯湾岳って天然記念物じゃなかったの?こんなことって許されるの?」。何をどうしたらこんなことになるのか。とても悲しい光景に、とても残念な気持ちになった。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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