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■ 寄生ではなく・・

-- ヒカゲヘゴやヘゴなどの木は、黒いヒゲのようなものを体にたくさん生やす。これは根の一種なのだが、ヒカゲヘゴは足下にたくさんヒゲ根を生やし、ヘゴは体中ヒゲぼうぼうだ。このヒゲ根。人間が園芸に使うぐらいだから保水力は十分にあるのだろう。森の中でも生きているヘゴの幹にタマシダなどのシダ植物が住んでいる。木の上に木が生える。まぁこれが亜熱帯の森の特徴でもあるのだが、オオタニワタリのように豪快なものもいれば、タマシダのように可愛いものもいる。ヒゲもじゃの体に根っこをからみつけて、地面よりも幾分日当たりのいい場所を上手に陣取っている。この場合、タマシダはヘゴから栄養分を吸い取っているわけではないので、寄生ではなくて着生となる。ただくっついて場所を借りてるだけ。こんな垂直な場所で大変そうに見えるが、案外気に入ってることだろう。僕ももしタマシダに生まれ変わる機会があったら、地面ではなくヘゴに住んでみたい。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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