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■ ありふれた光景

-- 寒さに怯えながら訪れた東京だったが、ずっと天気が良く暖かい日が続いた。最後の1日は買い物を兼ねてあちこち回った。そして最後くらい見晴しのいいところで夕陽を見たいとも思った。だが、思うようにいかず、最後の夕陽も道路の向こうに沈んでいった。振り返り空を見上げるとビルの上部にはまだ光があたっている。あそこまで登ればきっと太陽が見えるとも思ったが、簡単に入れるところは見つからなかった。山が見たい、海が見たい、もっと広い空が見たい。ありふれた光景に憧れる気持ちがよくわかった。何よりこの1週間、自分がその光景を切望していたのだから。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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