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■ 薄日射す喜び

-- ちょっと曇った日が続くと、とたんに太陽が恋しくなる。見あげても見えない、遠く厚い雲の向こうの太陽。そんな梅雨のある日。夕暮れ前の西の空がうっすらと光っていた。太陽だ。衝動をおさえきれず、僕は海へと向かった。特に意味はない。ただ太陽の光に輝く空を、できるだけ近くで見たかった。雲はなかなか破れてはくれなかったが、薄くなったところから光がにじみだしていた。雲と、そして潮けむりが舞う海が、にじみだした太陽の光にふんわりと染まった。ふたたび空が落胆するまでのほんの少しの時間。幸福を感じた。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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