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■ 入港は朝の5時

-- 鹿児島からやってきた船が奄美に到着するのは、朝の5時。夕方6時に出航して翌朝5時着だから、約11時間の船旅となる。飛行機の50分に比べると大変な気がするが、実際はそうでもない。鹿児島と奄美を結ぶ船は行きも帰りも夜走る。つまり、寝ている間に着いてしまうので効率は非常に良い。飛行機の片道料金で往復できるのも魅力だ。ただし、混んでる時期の船は相当凄い。それでも何やかんや言いながらいつしか寝てしまってる自分に驚く。要は慣れということか。夏は入港の頃にちょうど夜が明けはじめる。東の空、港から見ると佐大熊の方がうっすらと赤みを帯び、海面に光を落とすほど煌々と輝いているのは金星。船から降りるとタクシーやら古仁屋行きのバスが待っていて、皆それぞれに別れていく。特に急いでるわけでもなかったら、港で夜明けを待つのも面白い。後の山からはアカショウビンやサンコウチョウの声が響き、夜が明けていく様をゆっくりと味わうことができる。こんなに早起きすることもきっとなかなかないのだから、船を降りた日は朝の空気を感じたい。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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