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■ 2等船室で迎える朝

-- 最近、鹿児島へは船で行くことが多い。なにせ安い。奄美発なら1万5千円以内で往復切符が買える。船旅に慣れさえすればこの値段は魅力的だ。11時間の船旅も考えようによっては時間のムダが少ない。夜に乗って翌朝着くので、一晩寝てる間に体が海の上を運ばれていく。他にすることもないので最高の睡眠タイムである。好きなだけ寝ていい。名瀬で船に乗り込むと時間はもう夜の9時。良い子はとうに寝る時間だ。本を持って乗り込むと退屈しないが、揺れがある時は寝るが一番。船酔いしないように寝てごまかす。2等船室は広間に大勢で寝る感じなので、たまに隣のいびきに悩まされることもある。でも今回ヘッドフォンステレオ(表現古い?)を持ちこんだら、これが大活躍だった。ポータブルの音楽とは素晴らしいものだ。耳にイヤホンを付けるだけで、自分と外の空間が遮断される。ワイワイガヤガヤの2等船室の中で自分の世界に入り込むことができるのだ。今回は森山直太郎に感謝しながら僕はゆっくりとぐっすりと眠りについた。明朝。ふと目が覚めると壁際の窓が暖かい色に輝いていた。まぶしい光に目をシパシパさせながら窓の向こうの夜明けを見つめる。周囲の人々はまだ深い眠りの中だ。僕も今日は甲板へ出る元気がない。船内から朝日を眺め、またしばらくして眠りについた。到着までもうひと眠り・・と。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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