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■ ホノホシと雲と太陽と

-- 遠くまで出かける時は、少し賭けとなる。太陽が出てくれるか出てくれないか。出発前に夜空を見上げ、星の見え方で最終決定をする。「よし、行こう」。そう言って出かけたはいいものの、住用を過ぎたあたりで星がかげり、ポツポツと小雨が落ちてきた日には少しブルーになる。「しまったなぁ」と思いつつ、でも何が起こるかわからないので目的地までは行ってみる。ホノホシに着くと、予想はしていたのだが空は真っ白に塗りつぶされていた。一面の曇り。「やっぱりな」と少し肩を落とす。ま、こんな日だってあるさ。それに曇っているからって太陽が出ないとは限らない。せっかく来たことだし、波を見ながら夜明けを待つ。日の出の時刻を少し過ぎた頃、雲の一部が赤く色付いた。「もしかしたら」と思っていると、そこに隙間があったのだろう、一瞬の間だけ太陽が顔をのぞかせてくれた。全体としては少し寂しい感じだが、ま、こんな夜明けもある。「また、早起きすっかな」と気をあらためて、明けゆく空を見ながら朝食の準備をした。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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