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■ アダンの木陰、秋

-- 午後をまわった頃、ちょうど倉崎海岸にめぐりついた。特に目的があって訪れたわけじゃない。ふらりふらりと流れるままにやってきた。夏の頃なら、まだまぶしい陽射しがギンギンに降りそそいでいる時間帯。秋になると随分と日は短くなっている。斜めから射し込んでくる光がアダンの影を大きく伸ばす。影におおわれた砂浜には人の姿は見当たらない。シマが見えるように順序よく並んだ波が遠くから優しく寄せてくる。ひとつひとつが波うちぎわで弾け、控えめな音色を奏でていた。アダンの木陰、秋。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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