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■ 曽津高崎にて  2/6

--奄美の西の端に突き出た岬。曽津高崎。ちょいと用事があって、1週間に3度も通ってしまった。3度も通うとまあ慣れることは慣れるが、やっぱり遠い。往復4時間はなかなかの距離だ。岬の先には灯台が立っているが、そのずっと手前に高台になった展望のいい所がある。その場所から眺める風景は、とても雄大だ。荒々しいまでに肌をさらした岬の姿。風当たり波当たりが強く、今この瞬間も風化にさらされていることを感じる。インターネットの小さい画面では、細部の質感まで伝えられないのがとても残念だ。展望台に立っていると遠くから山羊の声がしてきた。僕は気にせずに長い間海を見ていた。すると突然地鳴りがして、僕のすぐ横を三匹の山羊が駆け抜けていった。慌てるように一目散で。もしかしたら夕暮れ時で家路につきたかったのかもしれない。なかなか僕がいなくならないので、勢いで突っ切ることにしたのだろう。いつもゆっくりとした山羊が、あんな風に走り抜ける姿を初めて見た。正直少し、いやかなりびっくりした。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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