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■ 大雨の日の出来事  3/3

--大雨、土砂降り、というよりこれはもう嵐です。今日は昨日とうって変わって奄美は大荒れの天気となった。昼間、用事で市街地に出かけた帰り。歩道のない裏道を走っていると、道路にはみだして歩いているお爺ちゃんと出会った。車が大きく避けて通り過ぎていく。自分も「危ないな」と思いながらいったん通り過ぎたが、何か変だ?と気になったので引き返すことにした。雨も降っていたし風も強くなってたし、それにお爺ちゃん足引きずってたし・・。とりあえず近くなら乗せてってあげようと思ったわけだ。車から下りてお爺ちゃんに「どこ行くの?」と話しかけると、「くさと町」と言う。名瀬市内の地名にうとい僕は「ん?草戸?」と思いつつ、車道で立ち話も危ないのでとりあえず車に乗ってもらった。そこはもう伊津部小学校を過ぎたところでこの先は佐大熊。さらに進んで山羊島トンネルを抜けると我が家のある朝日校区となる。草戸ってのは佐大熊のとこにあるのかな?と思い、爺ちゃんに「佐大熊ね?」と聞くと、「佐大熊じゃない。くさと町○○ー○」としっかり番地まで答える。とりあえず車を走らせると「行き過ぎたかもしれんな」という話になり市街地へと引き返すことにした。車を走らせながら情報を入手しようと色々と話を聞いていると「市役所に確定申告に行った帰り」だそうだ。「こんな雨なのに遠くまで歩いていったの?」と聞くと「そんなに遠くないよ」と答える。「いやいや遠いよ」と心の中で思いつつ、でも、どこをどう進めば家にたどり着くのかわからなかったので、とりあえずベスト電器で「くさと町ってどこですか?」と聞いてみた。すると、「ドコモショップを左へ曲がってずっと行ったところ」と言うではないか。やっぱりお爺ちゃん行き過ぎてたんだ、と市街地へさらに車を走らせた。御殿浜マンションを過ぎてドコモショップを左へ曲がり番地を見ると、港町。まだまだ先だなと思いつつ電柱の番地をたよりに車を走らせる。伊津部町、永田町、石橋町。。お目当ての「くさと」はなかなか現れない。そして大島高校前の郵便局を過ぎるとやっと「くさと町」にめぐりあえた。「久里町」。なるほどそういう漢字か。今度は番地を見ながら車を走らせたが、大通りには見当たらなかったので、とりあえず奄美小学校の手前で右折して中の方へ入っていった。聞くが早いと再び人に聞くことにし、奄美小学校へ。ちょうど給食室から人が出てきたのでお爺ちゃんのお店の場所をたずねるとすぐ見つかった。無事にたどり着くことができてひと安心。お爺ちゃんをお家の人に預けて任務完了となった。着いてみると久里町は「確かにここなら市役所にも歩いていける」距離だった。だが、また道に迷うといけないし、今回お爺ちゃんは倒れたらしく頭に怪我もしていたので「危ないから今度からタクシーに乗るんだよ」と言って帰ってきた。家に帰りながら更にひどくなった雨と風に「お爺ちゃん乗せてって良かった」と思った。そして「市内の地名いちどちゃんと勉強しよう」と深く深く思うことだった。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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