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■ ハブ 4/28

--ハブ。それは、奄美大島・徳之島・沖縄に住む猛毒の蛇のことである。動きは俊敏、かつ非常に攻撃的。奄美の人間にとってはもちろん脅威的な存在で、僕も幼い頃からハブの恐ろしさを刷り込まれてきた。草むらには入らない。穴には手を突っ込まない。これはハブのいる島に住む人間にとっての基本的順守事項である。

--でも、そんなハブに出会ったことは実は今の今まで一度もなかった。もちろんハブセンターなどで安全にハブを見たことはある。ただ日常の生活の中で、生きているハブを目にしたことはない。せいぜい死んでるのを見たぐらいだ。そうして昨夜、有良の海岸で夕陽を見て家へ帰る途中、大熊峠で生まれて初めてハブと遭遇した。

--滅多に出会わないハブ。僕はクロウサギの方が出会った回数は多い。でも、ほとんど会わないからといって油断してはいけない。どこでどんな風に会うかわからない。奴はどこに潜んでいるかわからない。だから怖い。この島で生きている限り、ハブの存在だけは絶対に忘れてはならない。

--さあゴールデンウィークです。奄美の森を海をめいっぱい楽しもう。でも、頭のはじっこに「もしかして」という用心だけは必ず持っていてください。ハブだって人を咬みたくて生きているわけじゃないのだから、用心すれば危険度はグッと下がります。確認作業はしっかりと、奄美を安全に楽しんでください。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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