■ 花という名の体育館にて 6/16

--雨がシトシトふり落ちる中、ふらり近所で水玉がいっぱいについた花や葉をしげしげと眺めていた。最初は水玉ばかりに目がいっていたが、せわしく動き回るアリに目が止まり、続いてヌメヌメと動くカタツムリに気付いた。あれれ、いろいろなんかいる。そういえば、雨の日の虫たちは何してるんだろう。そう思うと楽しくなって、葉の裏や花の中をのぞいて歩いた。すると、ある一つの花の中に小さなテントウムシがいた。直径5mmほどの小さな黄色いテントウムシ。まだ斑点も色もはっきりしていない。成虫になったばかりのテントウムシ。そのテントウ君が花の中で花の中にたまった水たまりに口をつけていた。彼にとってはお風呂ほどの水面にうっすらとその姿が映り込んでいる。僕は傘を持ちながらそうっとカメラを構え、僕にとっては涙ほどの水たまりにくちづけするテントウ君を見つめ写した。傘からもれた僕の背中にはポツポツと絶え間なく梅雨の雨が当たっていたが、体育館のように広いこの花の中は別世界のようにとてもとても静かだった。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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