■ 小さくても私、すごく声大きいんです 6/22

--シーーーーーーーーーーーーシィーーーーーーーーーーと、もともと超音波レベルな高音を途中からさらに高くするこのセミ。近くの木から音が聞こえてきたので姿を見つけようと近付いていったが、近くに寄るほどに高周波の音は脳みそに響きわたり、とても参った実に参った。早くセミの姿を見つけなければこっちがやられてしまう、と気持ちが焦る。しかし、そこにいるはずのセミはなかなか見えてこなかった。木の幹の色とセミの色。色だけでなく質感もそっくりで、見つけた時には「そりゃわからんわ」と思ったほどだ。

--こいつの発声には段階があって、マイクを持った人が「ア、ア、ア、テス、テス」と声を出すように小さな音でまずジ、ジ、ジと鳴く。そして発声の準備が整うやいなや羽を左右に少し広げ、腹を震わせて大声でわめきはじめるのだ。おもわず「おまえは○○○か(好きな言葉をお入れください)」とツッコミたくなるほど、その声はすさまじかった。だが、雨が止み陽射しも見えた今日の奄美。やかまシーけたたまシーはずのセミの声が不思議と嬉しかった。太陽の光のまぶしさにぴったりな音だと思った。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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