■ にぎやかな夏鳥 7/13

--夏鳥として奄美に渡ってくる鳥の中で、主に海岸沿いで生活するアジサシ達。群れで行動するので見つけやすく、島内のあちこちで姿を見る。主なのはエリグロアジサシと写真のベニアジサシ。ベニアジサシはクチバシと足がベニ色で、黒い帽子をかぶっているのが特徴だ。海岸の岩場を生活の拠点にしているが、最も簡単に近くで見られるのは、あやまる岬だろう。もちろん海鳥の住処を刺激してはいけないが、海中プールのすぐ横にいるんだから人にもずいぶん慣れたもの。

--刺激しないように岩陰に隠れながらこっそり近付いていったが、ケッケッケッケーッと威嚇のような声があがる。「俺?」と思ってジーッと見ているとどうやら違うようだ。声はエサを捕りに出かけていった者が帰ってくるたびに大きくなり、着地点を巡っていちいち小競り合いが起こる。狭い岩場にはちゃんとそれぞれの縄張りがあるらしく、「こっちくんなよ!」とか「だったらどこにおりればいいわけ!」とか言いあってるようだ。同じ場所から動かない者や、交代で場所をかわって出かけたりする者もいたから、もしかしたら卵をあたためているのかもしれない。とにかくにぎやかな集団生活だった。

--海中プールのすぐ横でだいぶ人にも慣れてるようだが、見にいく時は刺激しないように近付きすぎないように気をつけよう。目でその姿をしっかり確認できるけど、大きく見たいなら双眼鏡を。大きく撮りたいなら望遠レンズを。岩場といっても一応彼らの家なので、気遣いは大切に。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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