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■ ミナミスナガニ 7/17

--砂浜を歩いていると時々視界の中を何かが駆け抜けていった感じがする。確かにピューッと走り抜けていったはずなのに、砂の上をじっくり見ても何も見つからない。再び歩き出すとまたピューっと何かが横切る。確かに何かいる。辺りに注意を払いながらゆっくり足を踏み出すと、ほうら動いた。あそこだ。思った通りやっぱりカニだった。

--浜辺で超特急の速さを見せるこのカニは、ミナミスナガニ。夜だと、懐中電灯の灯りに照らされて影が走り抜けるように見えるのだが、昼間も強い陽射しに照らされて影が出てくれる方が見えやすい。砂とほとんど変わらない色をしているので、ジッとされていたらむしろ見つけにくいかもしれない。でもピューッと波打ち際に向かって砂浜を駆け下りていくので、存在を感じることはできる。じっくり見たいなら砂に潜り込む瞬間までしっかり見届けてからゆっくり近付くか、それとも野生の血をたぎらせて視界に感じた瞬間にダイブして飛びかかるか。後者は冗談だが、確保するならそれぐらいの勢いは必要。動いた!と感じた瞬間には足を踏み出し、ミナミスナガニが波打ち際に駆け込む前に砂ごとすくう。機会があったらぜひ挑戦を。オリンピック級の難易度です。


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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