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■ ダンス・オン・ジャグジー 4/16

--風の強い一日だった。引きこもりはよくないと、大和村まで出かけてみた。外に出ると出会いも多い。近所の散歩とは比較にならないほどシャッターも弾んだ。特に目的があったわけではないが、しいて言えば季節の変化を感じたいとは思っていた。昨年から島を離れることが多かったので、いまいち波に乗れない気分がしていたのだ。でも今日出かけてみて少し思い出した。「何かを撮る」わけじゃなくても、とにかく出かけなければならないことを。そして、出ればフツフツと浮かぶものもあるってことを。

--ほぼ一定のリズムを刻みながら、進んでは止まり止まっては進みとシャッターを切りながら大和村の戸円までやってきた。戸円の高台まで来ると、押し寄せる波間にサーファーが見えて、その動きに惹き付けられてしばらく進むことを止めた。何気ない風景の全体から撮り始め、その風景の中にサーファーを意識しだし、最後はサーファーを軸にして風景に向かい始めた。ああ、なるほど。なんかこんな感じで前も写真撮ってた、と自分のことながら慣れ親しんだ感覚がよみがえってきた。

--過程をたどりながらももちろん色々とシャッターを切ったが、今日最終的にたどり着いたのは「ジャグジー」だった。ある一定の間隔を置いて寄せてくる大きな波のあとには、海面に白い泡が広がりしばらく残ったままになる。ジャグジー風呂のように白くにごった海と、そこに浮かぶサーファーの姿。まだ空気が冷たい時期なのでサーファーを黒いスーツがおおい、それが白い泡の中でヒトの形だけをやけに印象強く目立たせていた。よくよく見ればヒトの足下にボードがちゃんと見えるのだけど、海の上で踊っているような、そんな雰囲気の写真になった。

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このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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