■ 冬雲と太陽
2007/1/10
--ある冷たい雨の降る朝だった。こんな日は朝日なんて出るはずもない。そう思いながら何故車を走らせたのか、今となっては憶えていない。だが、節田の海岸に着いた時、空を見て「今日はやっぱりダメだな」と思ったことはよく憶えている。
--島の冬の代名詞のように、低く低くたれこめる雲。頭上に重くのしかかってくる灰色の空に、どうして朝日が現れようか。しかしこの雲を、うつむきかけた気持ちごと突き破るように、朝日は現れたのだった。
--そして一瞬のち、すぐにまた太陽は冬雲の中へと吸い込まれていった。