奄美/365
 りゅうきゅうあさぎまだら 2009/6/15

--冬、集団で群れ重なって越冬する姿が話題になるリュウキュウアサギマダラ。アサギマダラは渡り鳥のように移動をする蝶だけど、リュウキュウアサギマダラはいつも奄美にいる蝶。二つは混同しやすいけれど、それぞれ「渡り」と「越冬」という他の多くの蝶がしない特別なことをしている。さて、冬を越したリュウキュウアサギマダラは、春を過ぎると他の蝶達と同じようにそこらを飛び交っている。そんな中、たまに見かけるのが求愛のシーン。止まっている蝶に対してその周りをアピールするようにグルグルと飛び回る別の蝶。アイラブユーとまで伝えているかはわからないが、うまくいくと一緒にもつれ合いながら飛び立ってゆくから、きっとこれは求愛なんだろうなと僕は勝手に思っている。

--ふと、これを書きながら、リュウキュウアサギマダラは結構順序立てて行動する蝶なんだろうなと思った。何故かというとずっと昔に目にしたイシガケチョウの求愛シーンを思い出したからだ。チビの散歩をしている時、かたわらの木の葉に止まっていたイシガケチョウに、別のイシガケチョウがやってきて隣にパタと止まった。そうして来訪者はおもむろにお尻の先を相手に寄せ、中からウニョーと触手みたいなものを伸ばしてきたのだ。あれは実にストレートで、衝撃的だった。今でもウニョーと出てくる様子がくっきりと想像できるし、リュウキュウアサギマダラの求愛を書きながら思い出されもした。何年ぶりかに思い出されたウニョー。随分久しぶりだけれど実に克明に思い出されたウニョー。ウニョーの衝撃は僕の記憶に深く刻まれているようだ。撮れなかった写真ほど、まぶたに強く焼き付いていたりする。一眼レフの他にいつでも持ち歩ける小さなカメラがいつも欲しくなるのは、ウニョーのせいかもしれない。いや、単にそれはただの物欲かもしれないけど。

--ストレートなイシガケチョウの姿を思い出した後で改めてリュウキュウアサギマダラの写真を見ると、彼らの姿がやけにジェントルに映るのは気のせいじゃないだろう。

↑EOS 10D + EF100-400mm ↓EOS 10D + SIGMA 15mm

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