■ 満月の夜に 2012/9/30
--いとこの子供が三人も一緒に土俵入りだったので、母の地元の豊年祭へ出かけた。台風片付けのために短縮ということで、残念ながら土俵入りには間に合わなかったのだけれど、瀬戸内は夕方前に電気が復帰して、伯母の家でのお祝いも煌々と輝く明かりの中でにぎやかにおこなわれた。
--お祝いの合間に何度か携帯で自宅へ電話をかけてみた。うちは光電話なので電気がないと動かない。それすなわち電話がかかるか否かで停電が終わっているか否かがわかるというわけ。結果は「おかけになった電話は・・」とNTTのアナウンスがむなしく響くのみ。念のため伯母の家で子供のお風呂まで済ませて家路についた。帰り着く頃には電気が戻ってますように、と祈りながら。
--国道58号線を北上する道沿いはどこも明かりが光り輝いていた。屋入トンネルまでは・・。屋入トンネルを抜けると、夜ってこんなに暗いんだねと改めて思う夜の闇。さっきまでマブシイ光にさらされていたので満月の月明かりも霞んで見えた。でも家に着く頃には夜闇に目が慣れ、満月の月明かりがありがたいほどに。そのうち電気が付くんじゃないかなと淡い期待を抱きながら眠り支度を始めたけれど、目が閉じられるまで光は帰ってこなかった。
--そして真夜中。急に取調室で顔にライトを当てられて罵声を浴びせかけられる。そんなひと昔前のテレビドラマのようなイメージで、部屋中のライトがまぶしく光を放ちテレビが大声で騒ぎ始めた。そう、電気が帰ってきたのだ。嬉しいか嬉しくないかって聞かれたら嬉しいけれど、ねえ。寝ぼけ眼をこすりながらテレビのリモコンを探し、電気を消し歩き再び布団に倒れ込んだ。
EOS 5D Mark II + EF100mm F2.8L MACRO