■ 真夜中の珍事 2013/5/1
--子供が寝入った後にお風呂に入る時、一番気になるのは夜泣き。夜泣きはする日もあればしない日もあるし、一回で済むときもあれば頻繁に繰り返すときもある。抱っこしたらすぐ泣き止む時もあるし、泣き止まない時もある。どちらにせよ抱っこは大きなキーポイントだ。そんなわけでお風呂である。お風呂に入っている間に泣かれると抱っこできないので、タイミング良く風呂に入っている間に夜泣きがやってくるのが一番困る。風呂から上がると泣き声が聞こえ、慌てて駆けつけるとすでに座り込んで泣いていることもあったり。もちろん泣かずにスヤスヤ眠っていることもあり、風呂から上がるとまず寝室を見に行き、ホッとする。
--今夜はこれまでとひと味違った。そろそろ出ようかと思いながらシャワーを浴びていると、背後から泣き声が。すりガラス越しに脱衣所のドアが開いて閉じるのが見えた。慌てて浴室のドアを開けると泣きはらした娘の姿。顔いっぱいの涙。もちろん僕はびしょ濡れだったけど、「お父さん濡れてるけど・・」と言うもののココまでやってきて体ふくまで待てるわけがない。泣いてるし濡れてるという状況的には、嵐の中でやっとめぐり逢えた感動の再会というシーンと似てないこともない。けれど、残念ながら僕を濡らしているのはただの給湯器のお湯だ。なんだこんなのドラマでも見たことないぞと思いながら娘を抱っこして、背中に当たるシャワーの音を聞きながら、ぽつんと風呂場の真ん中で、さてこの後どうしたもんかと考えた。
--あれからどれくらい時が流れただろう。考える時間はいっぱいあったけれど、まあ結局気の利いたアイデアが浮かぶわけもなく、地味に寝室まで暗い廊下を歩いた。もちろん裸で濡れたまま。布団の上に寝かせると娘はスヤスヤと眠り、着替えて床をふいて戻ってくるとすっかり落ち着いていた。でも主に前面だけとはいえ濡れたままほうっておくわけにもいかない。ウニャウニャ言うのをなだめつつ全部着替えてひと息。ふー。ひと区切りつくと、フツフツと笑いがこみあげてきた。なんだこれ。なんか凄かったな。いつもは夜泣きに駆けつけるのが当たり前なのに、今夜は夜泣き側がやってきた。しかも風呂場まで。あまりに新鮮だ。面白っ。思い出すほどに笑いがこみあげてきた。びしょ濡れで裸のまま子供を運ぶ姿なんて、現状としてはそうするしかないんだけど、これまたはたから見たら実に滑稽だ。二人とも裸ならまだ「お風呂で寝ちゃったのかな」なんて思えるけど、一人だけ裸って、しかもそれが親の方って。想像するとまた笑えてきた。こんな驚き。真夜中の大事件。いやー面白かった。子育てってホント斬新。
--おやすみなさい。今度はいい夢見るんだよ。
OM-D + M.ZD 45mm F1.8