奄美大島探検マップ

 初夏の屋鈍海岸 2013/5/12


--二回目の家族で撮影の旅。今回は宇検村の屋鈍(やどん)へ。遠いのはわかっているので昼前に出発。途中、湯湾(ゆわん)の宇検食堂でお昼を食べながら休憩を入れて、改めていざ!屋鈍へ。いやーはやー。思ってたより先の先というのもわかっていたけれど、その想像も超えていた。焼内湾は長い。

--でも思い切って行って良かった。ゆっくり焼内湾沿いを車で走りながら、岬を越える度に現れる景色の変化に感嘆しつつのドライブだった。若い頃はこの景色の変化に気付かなかったなあ。目的地に向けてひた走っていたからだろうか。家族を連れていつもよりゆっくりしたスピードで走る焼内湾はとても輝いて見えた。

--屋鈍に着いてしばらくは空を雲がおおっていたけれど、海で遊んだりしているうちに青空が広がってきた。ついでに太陽の光も降りそそぎ、光が射すごとに彩りを増す海。梅雨入り前の五月晴れ。静かな波の音と初夏の風が心地良かった。

--さて、ここからはカメラネタ。今日のカメラは三台。円周魚眼と超広角担当がEOS 5D Mark II。標準と望遠担当がOM-D E-M5。そして解像力担当がDP2 Merrill。複数のカメラを一緒に持ち出すと色々特色が見えて面白かった。曇り空でも海の色をサラッと引き出してくれる5D2は、ホント場面を選ばずカメラ内JPEGで及第点の写真をサクサク撮ってくれる。JPEGだと階調が乏しいのだけれど、LightroomでRAW現像すると空の色も出るし益々良い感じ。さすがの安定感。E-M5は5D2ほど曇り空の海から色を引き出すのは得意じゃないけれど、これもJPEGでバンバンいい色出してくる。解像感は5D2とそう変わらないし階調はむしろ広いくらい。センサーサイズはフルサイズの半分も無いのに、技術の進歩を見せつけられる感じ。オリンパスの一眼レフは初めて買ったけど、軽い簡単キレイで仕事にも使えるクオリティーの写真が撮れる。万人に勧められるカメラです。さて万人に勧められないカメラと言えばDP2 Merrill。ほぼ間違い無く使い始めはよくイライラすることでしょう。背面液晶を見ながら撮っていると何撮ってるかわからなくなる時もあります。でも家に帰ってRAWを丁寧に現像してあげると(あ、これもSPPの応答にイライラしながらですけどね)、現像された写真を隅々まで見てハーとため息がもれるほど感嘆してしまうのです。写真ってのはあまりにリアルすぎると現実との区別がつかなくなるから政府やWHOの方針で暗にメーカーに圧力がかかってわざとモヤモヤした写りをするカメラが世界には出回っていて、それをシグマが圧力に屈せずストレートにリアルな描写力を持つカメラを作った、と馬鹿げた妄想を抱くほどのキレなのです。上の写真の中央部右手に写る小舟を100%で表示したのが中の写真です。ホント凄まじい情報量です。キレがしっかりしているということは色の分離もしっかりしているということで、透明感や色鮮やかな描写も上々なのです。誰も彼もに気軽に勧められるカメラではありませんが、「ほんとはもっと写ってるはずなんだけどな」と撮影したデジカメ写真を見ながら日々不満を抱いている方でスローライフを楽しめそうな方にはオススメかも。

--余談ですけど、最近、撮影時にDP2 Merrillのしらけた背面液晶の映像に豊富な色彩が見える気がします。明らかに錯覚なんですけどね。撮っては現像を繰り返していたらイメージが脳に浮かぶようになったのかも。人は便利にも慣れるけど不便にも慣れるもんなんだなと思うことです。

DP2 Merrill

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このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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