抜港 2018/6/14


--徳之島から奄美へ戻るフェリーは夕方5時。昨日は2試合目が第6試合でフェリーに間に合わなかったので、徳之島に残り、二日目の大会を観戦してきました。そして夕方のフェリーへ。大雨の中、飛行機に欠航が出たものの、視界不良はフェリーには関係ないだろうと思ってましたが、ちょっと風が吹いて波が出てたようで、フェリーが着く港が通常の亀徳(かめとく)港から反対側の平土野(へとの)港へと変更となりました。平土野港は裏航路のフェリーが入る港で、本航路が入る亀徳港に比べると待合室も小さく、大雨で外にも出られないので、狭い室内でキュウキュウになりながら乗船客はフェリーを待っていました。やがてフェリーの姿が見え、帰路につく中学校の生徒達が室外に出て乗船の準備に入りました。ところが、先に出ていった龍南中学校の生徒が戻ってきて「欠航になりました」と言うではありませんか。すぐそこまで見えていたフェリーあけぼのは、チャプチャプと波立つ港の状況に接岸できないと判断し、なんと徳之島を抜かしたのです。深い入り江が多く、外海が波立っていても湾内は静かで、フェリーが接岸できないことはほとんどない奄美大島の人々にとっては未体験の展開に、待合室は一気に大騒動。さっきまで借りていたレンタカー!今朝まで泊まっていた宿!と慌てて電話連絡する声が飛び交っていました。その後、平土野から亀徳の隣の亀津の宿に戻りながら、道中、雨風はどんどん強まり、低気圧が急速に発達していくのを感じました。フェリーは動いているけど寄るべき港を飛ばして先へ進むことを、港を抜かすと書いて抜港(ばっこう)と言います。奄美大島では抜港はほとんど無いのですが、深い入り江が無い喜界島・徳之島・沖永良部島・与論島ではフェリーが欠航してなくても抜港があるということを実体験し、驚きと悲嘆に暮れたのでありました。

撮影地「徳之島」


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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